低地に発達した江戸が繁栄した理由として、地形を活かした町づくりがあげられますが、中央通りの日本橋や京橋で逆くの字に曲がっていることから、努力を読み解くことができます。

曲がり方が何を意味しているのか疑問を持つかもしれませんが、下水の問題を解決するため標高の高い部分を道路としており、不自然な曲がり方から地形に追随していることを認識することができます。低地に存在する江戸では、下水が自然に流れるよう下水道の設置方法が問題となり、土地の高低を工夫しなければなりませんでした。

中央通りの標高は高いですが変化はわずかなものとなり、具体的には地図上では中央通りの標高は5メートルで、約270メートル離れた東京駅前の外堀通りは標高4メートルとなります。

わずかな標高の差で下水の問題を解決した当時の技術は優れており、技術を参考にすることで、現代の豪雨問題も解決の糸口を見つけることができるのではないでしょうか。